(台北交流会その1)
行天宮を後にしてタクシーで会食会場となる中国料理の店「鼎城餐廳」へ、台湾でも人権活動家として重要人物となっている、曹さん、蔡さん、郭さん、リン・マイルスさん、そして今回の音楽會でお世話になった津村葵さんも参加して下さった。

矢谷さん、津村さん、隆二郎さん、竹勇、リンマイルスさん
郭さん、曹さん、蔡さん、土山さん
以前に送っていただいた白色テロ時代の証言ビデオを観ていただけに、なかなかお会いできない重要人物との会食会はたいへん貴重であった。曹さんからはご馳走になった上に、人権の歴史を記録したDVDをご恵贈いただいたが、その中には監獄島(火焼島)と言われた緑島に監禁された人達と、受難者を救ってきた人権活動家の歴史が詰め込まれていた。今は観光地化されている美しい島にも、ついこの前までこのような悲惨な歴史があったとことを改めて知り、また人間が人間を不当に裁くという、人権を無視した独裁政治の恐ろしさに驚愕する。今でもシリアなどでは考えられないような虐殺があったりするが、人が人を愛し、地球全体を平和で自由な世の中にするためにも、歴史的事実を認め、自分たちの出来ることでいいから、音楽や言葉を通して少しでも世界に伝えて行きたいものだ。隆二郎さんはその歴史を知った上で立ち上がり、音楽を通して実際に行動に移した活動をして来ている。隆二郎さんがその人権活動家の一人であることに敬意を表したいし、今回ご一緒出来たことを誇りに思う。思っていても行動が伴わなければ何も起きないのだから、私も三味線の演奏を通して、これからもそれを訴えて行きたいと思っている。
次に私が三味線愛好家達との交流会を控えていたので短時間ではあったが、「これからの人権活動イベントにはぜひとも三味線でお手伝いしたい!」と約束してお別れとなった。
(番外編)津軽三味線・台北交流会から
私が感謝台湾音楽會ツアーに行くことをfacebookに書き込んだら、台湾の三味線愛好家である陳さんから友達リクエストがあり、「ぜひ台北で交流会を持ちたいので寄って欲しい!」とのメッセージが入った。陳さんは何と私の知り合いの演奏家の小比田氏の弟子だそうで、4年ほど前から台北に教えに行っていたらしい。ということで、陳氏は愛好家の仲間を集めて交流イベントを企画、何とポスターまで出来あがって送ってくれたのだ。(ポスターの作者はCarter Chouさん)


場所は台北市松江路にある「救國圑」というところだそうで、津村さんも一緒に行って下さることになった。会議室のような部屋には多くの愛好家が集まっていたが、ここで初めてfacebook友達の陳さんと御挨拶。また同じfacebook友達の任達康さんがビデオを撮ってくれていた。今回は愛好会の一人Ling Taiさんが流ちょうな日本語で通訳を務めてくれた。まずは御挨拶に一曲「新じょんから節」を披露。それから今回の音楽會に来た経緯などをお話し、何曲か披露した後で、愛好家グループが「六段」という曲を合奏で聴かせてくれた。津軽三味線仲間が集まると必ず弾くというこの曲を、台湾で聴くことになるとは、本当に嬉しい限りだった。しかもこれだけ演奏出来るとは素晴らしいことだ!台湾の方々が日本の津軽三味線を好きで愛して弾いて下さったいることに心から感謝です。謝謝!

三味線に関する知識なども語ってワークショップのようになったが、喜んでもらえたようで本当に楽しい交流会になった。帰国便の時間も近づいて来たが、グループの皆さんから写真撮影やサイン攻めにあって、結局ギリギリまでお付き合いし会場を後にした。Ling Taiさんが松山空港まで送って下さって助かったが、本当にこの4日間の台湾ツアーは内容の濃い充実した音楽會だったと思う。まさに人と人との繋がりを求めて、その心が繋がった感謝台湾の音楽會ツアーであった。きっかけを作っていただいた永井ますみさん、ご一緒させていただいた小林隆二郎さん、矢谷トモヨシさん、千松幸夫さん、彼末れい子さん、土山恵子さん、村上桂子さんと朋子さん、そして台湾でサポートしていただいた多くの方々にあらためて御礼を申し上げたいと思います。
お世話になった台湾の皆さん!本当にありがとうございました。非常感謝!!

*これも出会った一枚のレコードからの恩恵です。
END
- 2012/06/12(火) 22:50:34|
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5月13日(日)帰国日
(都蘭の朝)
台東県東河郷郡都蘭村の朝が静かに明けた。

シャワーを浴びてから村を散策することに。近くに素食食堂というのがあったので覗いてみると、たまたま隆二郎さんと矢谷さんが食事をしていた。私も簡単な鶏肉ご飯とチマキを頼んだがなかなか美味しかった。(約70円)近くのお寺に参拝しながら町を散策するが、年寄りに道を聞けば日本語で話してくれるし、本当に親切だ。農協などもあって、忘れた日本がそこにある!というような、本当に素朴な感じで落ち着く村だった。

いよいよ都蘭を後にし、タクシーで台東空港まで向かう。
台東空港からは緑島への飛行機も出ていて、温泉もあるのだと隆二郎さんが話してくれた。
今度は緑島へも行ってみたいものだ。

(台東~台北へ)(台北から)
台北に着くと、ここで彼末さん、村上さん親子とは別行動となりお別れとなるが、音楽會ツアーを同行し、旅を共有した仲間として本当に名残惜しいが、日本での再会を約束して別れた。
帰りにせっかく台北に来るのだから、ということで、隆二郎さんや矢谷さんとも以前から親交のあった台湾の人権活動家の方々との会食会をすることになるのだが、時間があるので台湾でも有名な台北市中山区に位置する関帝廟「行天宮」を観光することになった。



今回は音楽會がメイン、観光も少ないので人気スポットを見学できるのは嬉しい。多いときで1日に2万人以上が訪れるとされる、台北地域でも人気の高い観光寺院のひとつだそうで、人気の最大の理由として、ご本尊が三国志でおなじみの関羽雲張が、商売の神様「關聖帝君」として祀られているからである。それにしても参拝の熱気は半端ではなく真剣そのもので、台湾人の信仰心の強さを感じ取れた貴重な時間だった。
その10へ続く
- 2012/06/12(火) 08:29:00|
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台東から
台東駅に着くと、やはりこちらは暑い!駅前では熱帯地方の果物(パイナップルやマンゴー、バナナ等)が売っていて女性陣はそちらの方へお買いもの。


今晩お世話になる原住民シンガー達卡鬧(タカナウ)さんと奥様のHomi Maさんが迎えてくれたが、隆二郎さんと達卡鬧(タカナウ)さんは旧知の仲らしく、駅に一人でいた隆二郎さんを見つけて驚いたらしい。車中では「竹勇!あなたのことはテレビで観て知っている!」と盛んに言っていたが、どうもこちらのサテライト番組で流れていたらしいのだ。
(都蘭から)
御夫婦が経営している民宿風ホテルに到着してから、木の皮で作った製品を展示しているという御両親の工房へ案内してくれた。そこには手製のジャケットや帽子などが展示してあったが、どれも素晴らしい作品だった。呑んで呑んで深い友達になるのだ!と椰子の実ジュースや精力酒等?で歓迎を受け。また日本語も流ちょうなので盛り上がって楽しく交流が出来た。

(月光小棧から)
それから会場まで行くことになるが、会場は都蘭山の上にある「月光小棧」という野外ステージだ。バックに太平洋を望む絶好のロケーション。すでに先発のミュージシャンの演奏が始まっていて、多くの観客で賑わっていた。Cafeあり、展示ルームありの芸術的パフォーマンス会場と言っていいだろう。こんな素晴らしい会場で演奏させてもらえるのか!と興奮して嬉しくなった。

先発ミュージシャンが終えたところで音響チェックを済ませる頃は日も暮れて照明が当たり、幻想的なステージが浮かび上がる。センターのオブジェは原住民アーティストの作品だ。いよいよスタート。こちらでは別に通訳が用意され、隆二郎さんの挨拶から歌が始まると会場が一体となってラブピース&フリーダムを合唱。原住民シンガー達卡鬧(タカナウ)さんの飛び入りもあり、矢谷さんの歌でも皆が一緒になって盛り上がった。

土山さんの沖縄三線~彼末&村上ユニット(金孔雀)の演奏も最高潮。建物の上から観ていた私も熱いもの込み上げてならなかった。観光で参加同行してくれた村上朋子さんもこの熱気に包まれて満足だったようだった。

そして私の出番が来て舞台に立つと、客席からは「山本さん!頑張って!」と大きな拍手で迎えられた。台湾に来て最高の出迎えを受けて感激。東北被災地に対して、台湾の人達から多くの義援金を寄せて下さったことへの感謝の気持ちを伝えるべく、心を込めて演奏させていただいた。謝謝!台湾。

最後は、これからの復興を願い、全員で「上を向いて歩こう」を演奏合唱、会場が一体となって盛り上がり、最終日のライブも大盛況の裡に終えることが出来た。
台東は原住民の村として有名だが、演奏後も原住民の踊り等を観ながら楽しく盛り上がった。ここでは日本の東北で作品展をやりたいという流木アーティストとの交流もあり、日本に来た時には一緒にコラボレーションをしましょう!と約束して会場を後にした。

宿泊先に帰ると土山さん以外の女性陣は先に休んでしまったが、男性軍はまだ呑み足らず、かなり酒豪のHomi Maさん、達卡鬧(タカナウ)さんと呑み交わしながらギターと歌あり、矢谷氏のジャンベあり三味線ありの楽しいコラボレーションが展開された。


そのうち原住民の仲間達も集まってきて彼らの歌を披露してくれたりして盛り上がり、「呑んで呑んで呑まれて呑んで・・・・・」そしていつの間にか夜は更けていったのだ。
その9へ続く
- 2012/06/12(火) 00:15:14|
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5月12日(土)(3日目)(嘉義の朝)
朝6時半頃、爆竹などの大音響とともに目が覚めた。何事が起きたのか?暴走族でも来たのか?と思って表に出てみると、何と盛大なお祭りパレードが繰り広げられていた。聞けば近くの地蔵廟に祀られている薬の神様「神農大帝」の生誕を祝う一年に一回のお祭りだそうで、ラッキーな日にぶつかって嬉しい限り、この騒音?で皆が起きて来てしまった。銅鑼や太鼓に中国楽器の生演奏を乗せたトラックに長身の神に扮装した仮装行列などなど、留まるところを知らないほど延々と続いて来る。台湾のお祭りパワーを全身で感じられた素晴らしい朝となった。


嘉義のお祭り映像はこちら(嘉義~台東へ)
大満足したところで次の会場のある台東に向かうため台湾鉄道の嘉義駅へ。玉山旅社でのライブの様子がまた新聞に載ったということで駅の売店で新聞をゲットし皆で喜ぶ。列車到着まで駅のそばのCafeで一服。隆二郎さんは一足先に台東へ向かった。のどかな海岸線を走り、途中から窓外を見ると、白色テロで受難者が流さていたという緑島がかすかに浮かんで見えた。

その8へ続く
- 2012/06/08(金) 23:43:01|
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